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クレーム対応に最適な表面処理の採用

Case Studies解決実績

CASE02

2021/12/15

クレーム対応に最適な表面処理の採用

担当部署:営業技術部営業課

クレーム対応に最適な表面処理の採用

アウトドアファンの需要の増加と 浮かび上がった問題点

生活様式の変化した現代、巣ごもり需要が増える一方で根強い人気を誇るアウトドア。中でも一人で楽しむ「ソロキャンプ」が大ブームとなっています。手軽に楽しめるソロキャンプですが、その原動力となるSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビーグル)の市場クレームの相談が持ち込まれたのは、今から1 0 年以上も前、まだキャンプがそれほど 一般的ではなかった頃でした。

当時の小型SUVはマニアックなファンの支持を得て、雪道や山道などの悪路を走破するために機能を最優先した武骨なデザインでした。ぬかるんだ道や雪道を走ると、むき出しに近い下回りの部品に泥や砂が付きます。アウトドアファンはそれを硬いブーツの先で削り落としてまた再び悪路へ挑んでいくのです。

そんなことが繰り返されるとどんなに洗車をしても、内部に砂が入り混み摩耗して錆が発生してしまいます。もちろん表面処理はされていたのですが、ブーツや砂利の方が硬いためすぐに表面処理が削れてしまっていたのでした。


要望を叶えるためのアイデアとは

お客様が希望されたのは「過酷な環境に耐える硬い表面処理」でした。そこで担当した I 部長はめっき処理の中でも抜群の硬度を誇る「硬質クロムめっき」を提案しました。硬さや耐食性能はお客様の要望を満足できましたが、工法に課題が残りました。この製品は後工程で溶接を行うため、 部分的にめっきを「つけない」必要があったのです。そのため専用の設備が必要となりました。
お客様の強い要望もあり、専用治具、マスキング方式、専用ラインの開発・設置を同時に進め、無事に要望通りのめっき処理を安定的に供給する体制を確立できました。

I 部長は「めっき処理はともかく、マスキングや専用ラインなど大変高いレベルの要求だったが、世の中から遊べる、面白い車が減るのは耐えられない」とモチベーションを保ったそうです。その甲斐あって、数年前のモデルチェンジ後も引き続きこのめっきは採用いただき、今では一般化したアウトドアブームの波にのって順調に生産を続けています。

皆さんも足回りについた泥を落とすとき、そこに使われているめっきのことを少しだけ思い出してください。そしてできれば泥はやさしく落としてあげてください。